公開日:2010-11-18
東京都民のマグネシウム摂取量不足持続
マグネシウムの日本人の食事摂取基準と推定摂取量の比較表を1ヶ所更新(ピンク色で表示)致しましたので、お知らせします。
更新内容は、「平成20年東京都民の健康・栄養状況(最新版)」 平成22年年8月東京都福祉保健局を含みます。
日本人の食事摂取基準(2005年版および2010年版)男性30~49歳でマグネシウムの推奨量は、1日当り370mgです。この推奨量と比較すると、1日当りの平均摂取量は、「平成20年東京都民の健康・栄養状況(最新版)」では男性30~49歳で237~244mgと126~133mg不足状態が持続しています。
(参照)
1. 「日本人の食事摂取基準(2005年版)」平成16年11月22日厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室栄養指導係報道発表資料
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」平成21年5月29日厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室報道発表資料
2. 「平成15年 国民健康・栄養調査結果」平成17年4月21日厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室栄養調査係報道発表資料
「平成18年 国民健康・栄養調査結果の概要について」平成20年4月30日厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室
「平成19年 国民健康・栄養調査結果の概要について」平成20年12月25日厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室 報道発表資料
「平成20年 国民健康・栄養調査結果の概要について」平成21年11月9日厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室 報道発表資料
3. 「東京都民の健康・栄養状況(平成17年国民健康・栄養調査 東京都・区実施分集計結果)」平成19年6月東京都福祉保健局
「平成19年 東京都民の健康・栄養状況」2009年8月東京都福祉保健局
「平成20年 東京都民の健康・栄養状況(最新版)」平成22年年8月東京都福祉保健局
コメント:
今回、マグネシウムの日本人の食事摂取基準と推定摂取量の比較表を最新データに基づき更新致しました。
残念ながら、厚生労働省と東京都の発表では、1日当り推奨量からすると近年の食事からのマグネシウム摂取量は125~133mgが不足し、およそ65%しか充足されていない状況です。
マグネシウムの摂取不足が生活習慣病、特に、2型糖尿病・メタボリックシンドロ-ムの発症と密接に関わっていることが基礎的・臨床的研究でも明らかにされています。今後マグネシウム摂取の重要性がさらに認知されて食育に取り入れられる事が切に望まれます。
MAG21研究会のホームページ右上には、検索 Search がありますので、例えば検索用語として“摂取不足”を入力してSearch ボタンをクリックすると関連記事がリストアップされます。ご利用下さい。
当ホームページでは、マグネシウムと糖尿病、高血圧やメタボリックシンドロームとの密接な関係についても解説して来ました。
2010.09.14 マグネシウム摂取量と全身性炎症、インスリン抵抗性と糖尿病発症との関連
2010.02.24 健常ヒト被検者の食後血清脂質反応に対するマグネシウムの影響
2009.12.29 生活習慣病に対するミネラル栄養の重要性 Mg(マグネシウム)
2009.09.08 WHO 飲料水中のカルシウムとマグネシウム: 公衆衛生的意義 2009
2009.03.13 糖尿病と合併症 -生活習慣との関わり-
2009.02.10 糖尿病予備群含め2210万人=1年で340万人増 厚労省
2008.08.13 低マグネシウム血症と代謝性グルコース障害リスク: 10年追跡調査研究
2008.06.03 『第51回日本糖尿病学会』で横田先生が発表
2008.02.04 『日本糖尿病療養指導士認定機構 CDEJ News Letter』に横田先生の記事が掲載
2008.01.23 WHO報告書 『飲料水中の栄養素』-その2-
2008.01.22 WHO報告書 『飲料水中の栄養素』-その1-
2007.08.21 メタボリックシンドロームの予防 -その2-
2007.08.20 メタボリックシンドロームの予防 -その1-
一方、高血圧治療ガイドライン2009 (JSH2009)が 日本高血圧学会 より平成21年(2009年)1月16日に発行されました。今回、このガイドライン「第4章 生活習慣の修正 2.野菜、果物、魚、コレステロール、飽和脂肪酸など」に初めて、
“最近、Mg(マグネシウム)摂取量の多い人では
メタボリックシンドロームの頻度が少ない
という疫学研究が示されている”
と明記され、He K教授らの研究論文(He K, et al., Circulation 113:1675-1682, 2006)が引用されました。
なお、糖尿病やメタボリックシンドロームなどとマグネシウム摂取不足との関係は、横田邦信著の“マグネシウム健康読本”(現代書林)にも詳しく書かれていますのでご参考にして下さい。
マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。