低マグネシウム血症と代謝性グルコース障害リスク: 10年追跡調査研究

公開日:2008-08-13

低マグネシウム血症と代謝性グルコース(ブドウ糖)障害のリスク: 10年追跡調査研究

2008年、メキシコMultidisciplinary Research Group on Diabetes of the Instituto Mexicano del Seguro Socialの研究者らは、マグネシウムとグルコース障害の関係について10年間の追跡調査の研究結果を報告しています。

背景: 低マグネシウム血症が2型糖尿病になる危険因子であることをいくつかのエビデンスにより示唆するが、低マグネシウム血症と空腹時血糖異常(IFG)または耐糖能異常(IGT)の関係についての研究報告が無い。我々の目的は、血清マグネシウム濃度とIFG、IGTと2型糖尿病リスクとの関係を調べた。

方法: 合計1122人(年齢20~65歳)が1996~1997年に登録し、817人が10年後に再検査した。新規発症IFG、IGTと2型糖尿病は、登録時ではなく再検査時に認められた。新規代謝性グルコース異常障害と糖尿病(従属変数)の相対リスクは、年齢、性別、糖尿病家族歴、腹囲測定を調整したポアソン回帰モデルとインスリン抵抗性指標のホメオスタシスモデル評価を使って計算した。血清マグネシウム濃度0.74 mmol/L (独立変数)以下を低マグネシウム血症グループとした。

結果: ベースライン時、420人(51.4%)が低マグネシウム血症を有した。新規発症IFGおよびIGTは、276人(33.8%)確認された。IFG、IGTおよびIFG+IGTの相対リスクは、それぞれ1.11(95%信頼区間、0.5-5.1)、1.38(95%信頼区間、1.1-6.3)および1.49(95%信頼区間、1.1-4.9)であった。新規発症糖尿病は、78人(9.5%) (相対リスク2.54; 95%信頼区間、1.1- 4.1)確認された。

結論: 低マグネシウム血症はIGT、 IFG+IGTおよび2型糖尿病の発症に独立して関係するが、IFGの発症には関係しない。

参考文献:

Guerrero-Romero F, Rascón-Pacheco RA, Rodríguez-Morán M, Escobedo de la Peña J, Wacher N. Hypomagnesaemia and risk for metabolic glucose disorders: a 10-year follow-up study. Eur J Clin Invest 38 (6):389–396, 2008

(http://www3.interscience.wiley.com/journal/120084293/abstract)

MAG21研究会コメント: 

Dr.Guerrero-RomeroとDr.Rodríguez-Morán はメキシコの糖尿病の臨床研究を精力的にされているご夫妻のDrです(写真)。2006年の国際マグネシウムシンポジウムが三重県の賢島で開催された時に来日され、MAG21研究会の横田(写真左端)が“Mg仮説”を提唱したところ、Mgの慢性的摂取不足で説明が可能である発表に対して賛同してくださいました。今回の発表は、それとも関連し興味ある論文と言えます。

10-023 Dr Guerrero-Romero et al

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