公開日：2015-08-26
カリウム、マグネシウム、カルシウム摂取量と脳卒中リスク
2014年にオランダのUniversity Medical Center UtrechtおよびNational Institute for Public Health and the Environment (RIVM)、フランスのUniversité Versailles St-QuentinおよびCentre for Research in Epidemiology and Population Healthの研究者らが、“カリウム、マグネシウム、カルシウム摂取量と脳卒中リスク”について報告をしたので、その論文概要を紹介します。
背景、目的
脳卒中の発症と食事性およびカリウム、マグネシウム、カルシウム総摂取量との関係を調査することを目的としました。
方法
前向きコホート研究（European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition-Netherlands (EPIC-NL)）の対象は、参加者36094人、21～70歳（平均年齢49±12歳、男性25%）で行われました。食事摂取量は食物頻度アンケート調査で評価しました。
結果
食事性マグネシウム摂取量（平均mg/日）を4分位（Q1 282 mg以下、Q2 282-332 mg、Q3 333-392 mg、Q4 393 mg以上）、総マグネシウム摂取量（食事性＋サプリメント含めた平均mg/日）を4分位（Q1 285 mg以下、Q2 286-336 mg、Q3 337-397 mg、Q4 398 mg以上）に分けて検討しました。
12年間のフォローアップ期間中、631例の脳卒中が発症しました。交絡因子の調整後、マグネシウム摂取量は脳卒中リスクの低下と関連していました（マグネシウム増量100mg/日当りのハザード比[95％信頼区間]、食事性マグネシウム0.80（20％低下と言う意味です） [0.67-0.97]、総マグネシウム0.78（22％低下と言う意味です） [0.65-0.93]）。
カリウムとカルシウム摂取量は脳卒中との関連が認められませんでした。
結論
この研究は、高いマグネシウム摂取量と脳卒中リスク低下との関連を支持します。
参考資料：
Sluijs I, Czernichow S, Beulens JW, Boer JM, van der Schouw YT, Verschuren WM, Grobbee DE. Intakes of potassium, magnesium, and calcium and risk of stroke. Stroke 45:1148-1150, 2014
http://stroke.ahajournals.org/content/45/4/1148.long
【コメント】
この研究者らによるマグネシウム摂取量と脳卒中リスクは逆の関連を示しました。特に、マグネシウム摂取量一日当たり100 mg増える毎に脳卒中リスクが20%低下しますが、カリウムとカルシウム摂取量は脳卒中との関連が認められないと報告をした点で大変意義があります。
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