肥満小学生はメタボ予備軍=女性はリスク10倍

公開日:2008-12-26

肥満小学生はメタボ予備軍=女性はリスク10倍-労災病院医師らが全国調査

平成20年7月24日、独立行政法人 労働者健康福祉機構は “小学6年時の食習慣が成人女性のメタボ発症に強い影響” ~全国の勤労者予防医療センターの調査で初めて判明~ を発表しました。

小学6年の時に肥満だった人は大人になってから、脳卒中などの生活習慣病が起きる危険が高い状態「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)になりやすいとの調査結果を、宗像正徳・東北労災病院勤労者予防医療センター相談指導部長ら医師の研究チームが発表した。発症リスクは女性で10倍にも達し、子供のころの食習慣とメタボ発症に強い関連性があることが浮かび上がった。

調査は2006年12月から07年8月、全国9カ所の労災病院で健康診断を受けた20歳から70歳の計799人(うち女性216人)を対象にアンケートを実施。メタボ患者400人と、性別や年齢が同じ399人とで、食習慣や運動習慣などを比較した。

統計解析の結果、メタボになるリスクは、小6で肥満だった人は肥満でなかった人に比べ、男性で2.8倍、女性で10.1倍。また、小学校の時にスポーツをしていた人はしていなかった人に比べ、男性で1.6倍、女性で2.6倍になった。

参考資料

独立行政法人 労働者健康福祉機構 報道発表資料 平成20年7月24日 「“小学6年時の食習慣が成人女性のメタボ発症に強い影響” ~全国の勤労者予防医療センターの調査で初めて判明~」

http://www.rofuku.go.jp/kanrenshisetu/pdf/20met...

【MAG21研究会コメント】

宗像正徳先生らのこの調査結果は、小児期の肥満状況から成人になってからメタボになるリスクを予測されたもので、大変興味深い内容です。

以前、Prof Ka HeがCirculatioon2006年に報告した論文ではMgの摂取量が一番多い群は一番少ない群に比べてメタボになるリスクが31%低いと報告している観点から見ると、おそらく肥満児のMg摂取は可也低い可能性があると思われます。

当ホームページでも「小児メタボリックシンドローム」を取り上げておりますが、小児メタボリックシンドロームの予防には、子供の頃からマグネシウムが比較的豊富な穀類、緑黄色野菜などを摂る様な食生活の改善、適度な運動習慣を持ち、休養などの生活習慣を見直し、そしてストレスを減らすことが大切です。

日本人の食事摂取基準(2005年版)」では、12歳小学6年生の1日当りのマグネシウム摂取量は、男性300mg、女性270mgとなっております。

基準値に対し、2006年度の国民健康・栄養調査結果、東京都民の健康・栄養状況による1日のマグネシウム摂取量を比較すると、男性では34~57mgの不足、女性では46~63mgの不足となります。 

10-033 Mg基準値摂取量男性

10-033 Mg基準値摂取量女性

(参照)

1. 「日本人の食事摂取基準(2005年版)」平成16年11月22日厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室栄養指導係報道発表資料

2. 「平成15年国民健康・栄養調査結果」平成17年4月21日厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室栄養調査係報道発表資料

  「平成18年国民健康・栄養調査結果の概要について」平成20年4月30日厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室

3. 「平成17年東京都民の健康・栄養状況(平成17年国民健康・栄養調査 東京都・区実施分集計結果)」 平成19年6月 東京都福祉保健局報道発表資料

  「平成18年東京都民の健康・栄養状況(平成18年国民健康・栄養調査 東京都・区実施分集計結果)」 平成20年6月 東京都福祉保健局報道発表資料

マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。

 

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