公開日:2013-01-15
米国における糖尿病の有病率が急増-米国CDC発表
2012年、米国疾病対策予防センター[Centers for Disease Control and Prevention(CDC)]は、疾病率死亡率週報[Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)]に“糖尿病の有病率が急増”と、発表したので、その概要を以下に紹介します。
2010年に、米国では約1880万人が糖尿病と診断され、他に700万人は診断未確定の糖尿病に罹患していました。
1990年以降、すべての年齢層、男女両方と人種/民族のグループにおいて診断された糖尿病の有病率は急上昇を示しました。
1995–2010の間、米国成人18歳以上で糖尿病と診断された人達の年齢調整有病率はすべての地理的地域で増加し、すべての州、ワシントンDCとプエルトリコで中央値有病率は4.5%から8.2%に増加しました。各年代の有病率(95% CI)はそれぞれ1995年4.5% (4.2–4.7)、2000年 6.0% (5.7–6.2) 、2005年7.2% (7.0–7.6) 、2010年8.2% (7.8–8.6)でした。
1995年時点で年齢調整有病率が6%以上の地域は3州、DCとプエルトリコでしたが、2010年までには全50州に達していました。
1995–2010の間、糖尿病の年齢調整有病率の相対的な増加は、82.2%の全体的中央値増加で、プエルトリコの8.5%からオクラホマ州の226.7%に渡っていました。年齢調整有病率の上昇が50%以上は42州で、100%以上は18州に及んでいました。
南部の州で年齢調整有病率の相対的な増加が100%以上と急上昇していました。次に西部82.5%、中西部66.7%、北東部62.2%の順でした。
この増加は、おそらく糖尿病者の生存率の改善と糖尿病の発症率の増加の結果によると思われます。
糖尿病有病率の増加は、米国全域での肥満蔓延と重なります。
全集団とハイリスクグループを目標とする戦略は、糖尿病有病率の増加傾向を覆すために必要です。
ハイリスクで2型糖尿病の発症を予防するか、遅らせることを目的として、国家的糖尿病予防プログラム(National Diabetes Prevention Program)は、ハイリスク者の適度な体重減少、良い栄養習慣、身体活動の増加を促進するエビデンスに基づく、コミュニティ、ライフスタイル・プログラムの全国的な実施をサポートしています。
参考文献:
CDC. Increasing Prevalence of Diagnosed Diabetes - United States and Puerto Rico, 1995–2010. Morbidity and Mortality Weekly Report 61:918-921, 2012
http://www.cdc.gov/mmwr/pdf/wk/mm6145.pdf
【コメント】
米国CDCが発表した米国における糖尿病の有病率の急増は、1995~2010年で4.5%から8.2%とほぼ倍増しました。
米国での2型糖尿病の増加は肥満に起因するとされ、ハイリスク者の適度な体重減少、良い栄養習慣、身体活動の増加を促進するエビデンスに基づく、コミュニティ、ライフスタイル・プログラムなどが提供されていますが、食事からのマグネシウム摂取の重要性については残念ながら現時点では言及されていません。 肥満が大きな原因でインスリン抵抗性を来すことが2型糖尿病の発症要因のひとつであることは疑う余地はありませんが、ライフスタイル(食生活)のプログラムの中にマグネシウムの十二分な摂取を取り入れなければ、有病率はさらに増加することは明らかです。
当ホームページでは、以下のサイトで米国におけるマグネシウム摂取量の問題、食物からのCa/Mg摂取比率が上昇している問題、これらに伴う2型糖尿病の有病率と発症率の急激な増加などについても掲載していますので、参考にしてください。
2012.11.27 米国における準最適マグネシウムの栄養状況:健康状態が過小評価されている?
2011.09.21 マグネシウム摂取と2型糖尿病発症リスク
2011.01.27 マグネシウム摂取とメタボリックシンドロームの関係
2010.12.21 マグネシウム摂取量と全身性炎症、インスリン抵抗性と糖尿病発症との関連
2010.08.26 Caサプリメントで心筋梗塞リスク31%上昇
2009.12.15 閉経後女性の多民族的コホートにおける食事性マグネシウム摂取と炎症および内皮機能障害マーカーの関係
2009.10.29 アメリカ人男性の食習慣と2型糖尿病リスク
2007.08.23 女性及び小児とメタボリックシンドロームについて 小児メタボ
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