上海女性の食事性カルシウムおよびマグネシウム摂取と2型糖尿病リスク

公開日:2009-06-24

上海女性の食事性カルシウムおよびマグネシウム摂取と2型糖尿病リスク

2009年、米国Vanderbilt大学医学部と上海がん研究所(Shanghai Cancer Institute)の共同研究者らは、上海女性の食事性カルシウムおよびマグネシウム摂取と2型糖尿病リスクについての研究結果を報告しました。

【背景】

食事は2型糖尿病の発症で鍵となる役割を果たすが、食形態が欧米人集団と事なる人口における特定の栄養素の貢献についてほとんど知られていません。

【目的】

我々は、中国における集団でカルシウムとマグネシウム摂取と2型糖尿病リスクの関連性を調査した。

【デザイン】

調査募集で2型糖尿病あるいは他の慢性疾患がなく、中国上海在住女性64,191人の集団に基づく前方視的研究からのデータを使用した。食事摂取、身体活動および人体測定はインタビューを通して評価した。2型糖尿病リスクの関連性を評価するためにコックス回帰モデルを使用した。

【結果】

カルシウムおよびマグネシウム摂取量と2型糖尿病リスクは逆の関係が観察された。最低から最大五分位の相対リスクは、カルシウム摂取量1.00、0.82、0.73、0.67および0.74(P<0.001)、マグネシウム1.00、0.84、0.84、0.79および0.86(P<0.001)でした。牛乳摂取量も2型糖尿病リスクと逆に関係していた。

【結論】

データは、カルシウムおよびマグネシウム摂取がこの母集団で2型糖尿病の発症に保護的に働くかもしれないことを示唆する。

参考資料:

Villegas R, Gao YT, Dai Q, et al. Dietary calcium and magnesium intakes and the risk of type 2 diabetes: the Shanghai Women's Health Study. Am J Clin Nutr 89: 1059-1067, 2009

http://www.ajcn.org/cgi/content/abstract/89/4/1059 

【MAG21研究会コメント】

この論文は中国の上海女性を対象にしたものですが、カルシウムと共にマグネシウムの摂取の重要性が示されたといえます。

MAG21研究会のホームページでは、身体にとって必須・主要ミネラルのマグネシウム、カルシウムについて解説してきました。

マグネシウムは、細胞内と細胞外のミネラルバランスを調節しています。

2007.08.24 マグネシウムの力 高血圧にはマグネシウム!

2007.08.23 女性及び小児とメタボリックシンドロームについて マグネシウムとカルシウム・・・ マグネシウムとカルシウム摂取量の割合が重要ですか?

2007.07.26 マグネシウムの働き

また、マグネシウムと糖尿病やメタボリックシンドロームとの密接な関係についても解説して来ました。

2009.05.07 米国成人の食事性マグネシウム摂取量

2009.03.13 糖尿病と合併症 -生活習慣との関わり-

2009.02.10 糖尿病予備群含め2210万人=1年で340万人増 厚労省

2008.08.13 低マグネシウム血症と代謝性グルコース障害リスク: 10年追跡調査研究

2008.06.03 『第51回日本糖尿病学会』で横田先生が発表

2008.02.04 『日本糖尿病療養指導士認定機構 CDEJ News Letter』に横田先生の記事が掲載

2008.01.24 経口マグネシウムサプリメントの影響

2008.01.23 WHO報告書 『飲料水中の栄養素』-その2-

2008.01.22 WHO報告書 『飲料水中の栄養素』-その1-

2007.08.21 メタボリックシンドロームの予防 -その2-

2007.08.20 メタボリックシンドロームの予防 -その1-

などのサイトでご紹介して来ましたので、ご参考にしてください。

この記事に対するご意見やご質問を心からお待ちしております。

 

検索


新着記事