食事から摂るカルシウムとマグネシウムの比率はどのくらいが望ましいですか?

公開日:2016-03-31

食事から摂るカルシウムとマグネシウムの比率はどのくらいが望ましいですか?

日本人のカルシウムとマグネシウムの食事摂取比率は2より低く、1.5~1が望ましいと考えられます。

食事から摂るカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の比率(Ca/Mg)が高いほど、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患死亡率が高く、また2型糖尿病、メタボリックシンドローム、骨粗鬆症、および他の炎症に関連した疾患の発症率に影響するといわれています。

日本人の食事から摂るカルシウムとマグネシウムの比率は、1970~1989年頃まではおよそ1.3から1.5でしたが、2001年以降は2以上に上昇しています。

日本では一般的に、カルシウム摂取の重要性と認識が高いので、カルシウムばかり摂る事へのひとつの警鐘と考えられます。カルシウムを意識して摂るのであればマグネシウムはそれ以上に意識して摂る必要があります。

10-176 CaMg摂取比 2014まで

参考文献:

国立健康・栄養研究所 「国民栄養の現状」[昭和22(1947)年~平成14(2002)年]から引用作図。

www.nih.go.jp/eiken/chosa/kokumin#_eiyou/ 

厚生労働省 「国民健康・栄養調査」[平成15(2003)年~現在]から引用作図。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou#_eiyou#_ch...

鈴江緑衣郎、上岡薫、小佐野美香:日本人の無機質(リン,カリウム,マグネシウム,亜鉛,銅)の摂取量とその年次推移.昭和女子大学大学院生活機構研究科紀要 2:67-76, 1992

http://ci.nii.ac.jp/naid/110004727108

* 図をクリックすると拡大表示します。

【コメント】

MAG21研究会は、食事から摂るカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の比率が重要であるとの認識から調査した結果を報告しています。食事から摂るCaとMgの比率はどのくらいが望ましいかに対し、日本人のCaとMgの食事摂取比率は2より低く、1.5~1が望ましいと考えられます。

今回、「日本人のカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)摂取量とCa/Mg摂取比率」の図を2014年までの最新データを基に更新しました。

日本人のCa/Mgの食事摂取比率は、1970~1989年頃まではおよそ1.3から1.5でしたが、2001年以降は2以上に上昇し、2014年は2.11でした。この上昇は、Mgの摂取不足が関係し今後、心疾患、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、骨粗鬆症、および他の炎症に関連した種々の疾患の発症率に影響することが示唆されます。

当ホームページでは、以下のサイトでCa/Mg摂取比率関係について掲載していますので、参考にしてください。

2007.08.23  女性及び小児とメタボリックシンドロームについて マグネシウムとカルシウム・・・マグネシウムとカルシウム摂取量の割合が重要ですか?

2009.01.07  カルマグ摂取比と大腸がん

2010.08.05 日本人男性マグネシウム摂取が大腸がん予防

2010.08.26  Caサプリメントで心筋梗塞リスク31%上昇

2012.11.27  米国における準最適マグネシウムの栄養状況:健康状態が過小評価されている?

2012.12.14  日本人のCa/Mg摂取比率が上昇傾向

2014.06.03 日本人のカルシウムとマグネシウムの食事摂取比率は2より低く、1.5~1が望ましい

マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。

 

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