マグネシウム摂取量が2型糖尿病患者の死亡率に影響

公開日:2015-06-08

マグネシウム摂取量が2型糖尿病患者の死亡率に影響



2015年5月21日(木)~24日(日)、第58回日本糖尿病学会年次学術集会が下関で開催されました。



今回、九州大学大学院病態機能内科学の藤井裕樹氏らが、わが国におけるマグネシウム摂取量が2型糖尿病患者の死亡率に影響すると報告されたので、以下に概要をお知らせします。



日本人の2型糖尿病患者におけるマグネシウム摂取による死亡への影響を検討した大規模臨床研究はほとんどありません。



対象は、福岡県糖尿病患者データベース研究に登録されている2型糖尿病患者4840名です。初年度に簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を使用しました。マグネシウム摂取量(mg/日)をエネルギー調整して3分位(T1 124 mg、T2 152 mg、T3 182 mg)に分けて検討しました。3年後の追跡調査終了者を対象とし、多変量調整Cox比例ハザードモデルを用いて検討しました。



マグネシウム摂取量により多変量調整ハザード比は、摂取量が最も少ない群T1を1とした場合、T2 0.79 [95%信頼区間0.53-1.18] T3 0.62 [0.39-0.96] (p<0.05)で有意に低下しました。



2型糖尿病患者においてマグネシウム摂取量の増加は死亡率を減少させることが示されました。



参考:



第58回日本糖尿病学会年次学術集会 抄録集



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日本糖尿病学会2015では、九州大学大学院病態機能内科学の研究者らが、わが国における糖尿病患者のマグネシウムと死亡リスクを詳細に調査し、2型糖尿病患者においてマグネシウム摂取量の増加は死亡率を減少させることが報告されたことは意義深いと言えます。



MAG21研究会のホームページでは、以下のサイトで関連記事を掲載していますので、ご参考にしてください。



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