公開日:2009-05-22
厚労省 酸化マグネシウムの区分、新手順で再審議へ
平成21年(2009年)5月12日発行 日刊薬業の記事「安全対策部会 酸化マグネシウムの区分、新手順で再審議へ」が掲載されましたので、お知らせします。
記事の内容を以下に抜粋します。
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会(部会長=松本和則・独協医科大特任教授)は8日、安全対策調査会での調査・審議を経て一般用医薬品のリスク区分変更の可否を同部会で答申するとした手順変更案を了承した。服用との因果関係が否定できない高マグネシウム血症を15例(うち死亡2例)確認したとして、一般薬のリスク区分を第3類から第2類に引き上げる案を同部会で昨年了承した酸化マグネシウムについても再度、新しい手順に従って審議し直す。酸化マグネシウムは、新手順での審議が終わるまで第3類のままとなる。
一般薬のリスク区分は、2005年末に出された厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会の報告書に従い、機械的な振り分け結果の妥当性について、専門的な知識・経験を基に個々の成分ごとにさらに検討を加えて評価してきた。しかし、酸化マグネシウムのリスク区分変更で、日本マグネシウム学会から問題点が指摘されたことなどを踏まえ、関係者からの意見を聴取するための新手順を定めた。
新手順では、
①諮問を行った後、安全対策部会長の了承を得た上で調査・審議事項の事前整理などを「安全対策調査会」が実施
②同調査会での調査・審議に当たっては、必要に応じ関係学会などの有識者らの出席を求めて意見聴取や事前整理を実施
③同調査会でリスク区分変更などが必要とされた場合、厚労省は変更案についてパブリックコメントを募集
④事前整理やパブコメの結果などについて安全対策部会で調査・審議し、変更の可否について答申を得る
――となる。
参考資料:
日刊薬業 安全対策部会 酸化マグネシウムの区分、新手順で再審議へ 平成21年5月12日 第12749号 P7
発行: 株式会社 じほう
東京都千代田区一ツ橋2-6-3 一ツ橋ビル
【MAG21研究会コメント】
酸化マグネシウム副作用報告の問題に関しては、当ホームページで昨年末以来、以下のサイトにて取り上げてきました。
2008.12.10 「便秘薬で副作用15件2人死亡」のニュース
2009.01.27 「便秘薬で副作用」のニュース -第2弾-
2009.03.26 日本マグネシウム学会が学会見解・要望書を厚生労働大臣に提出
2009.05.18 厚労省 酸化マグネシウムのリスク区分再検討へ
今回の日刊薬業2009年5月12日の記事によると、日本マグネシウム学会から2009年3月25日に「酸化マグネシウム副作用報告の取扱い問題に関する学会の見解・要望書」が舛添厚生労働大臣に提出され、問題点が指摘された結果として、厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会で、2005年来一般用医薬品のリスク区分変更の可否を同部会で答申するとした手順が変更され、新手順に従って審議し直すこととなりました。
酸化マグネシウムは、今まで一般薬として副作用の危険が最も低いリスク区分第3類とされて来ましたが、「重大な副作用」があるとしてリスク区分第3類から第2類に引き上げを昨年了承した薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会で再度、新しい手順で審議し直すことになりました。
日本マグネシウム学会の貢献により、厚労省は、酸化マグネシウムを本来2009年6月施行の改正薬事法で第3類から第2類に引き上げて規制を強化する案を撤回し、審議が終わるまで第3類のままとなりました。
酸化マグネシウムは、便秘薬として年間延べおよそ4500万人に使用されていますが、これまで通り一般薬として医療機関、薬局、ドラッグストア、インターネットなどから求めることが可能です。
この記事に対するご意見やご質問を心からお待ちしております。