厚労省 酸化マグネシウムのリスク区分再検討へ

公開日:2009-05-18

厚労省 酸化マグネシウムのリスク区分再検討へ

平成21年(2009年)4月22日発行 日刊薬業の記事「厚労省 酸化マグネシウムのリスク区分再検討へ」が掲載されましたので、お知らせします。

記事の内容を以下に抜粋します。

一般用医薬品で便秘薬や制酸剤として広く利用されている酸化マグネシウムについて、日本マグネシウム学会から先月25日にだされた「一般用医薬品のリスク区分を現在の第3類から第2類への引き上げの撤回」や、服用との因果関係が否定できない高マグネシウム血症の症例が15例(うち死亡2例)あるとした「医薬品・医療機器等安全性情報・第252号」の再改訂などを求めた要望書に対し、厚生労働省医薬食品局安全対策課が「要望を踏まえて検討する」旨を同学会に回答していたことが21日に分かった。

今後、リスク区分引き上げを了承した厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会で、学会の見解や要望内容に関して審議される見通し。

酸化マグネシウムをめぐっては、服用が原因と見られる高マグネシウム血症を15例(うち死亡2例)確認したとして同部会が昨年11月27日、一般用医薬品のリスク区分を現在の第3類から第2類に引き上げる案を了承した。官報告示はまだ行われていない。第2類に引き上げられると、「質問がなくても行う情報提供」に努力義務が果たせられる。

先月25日付の要望書で日本マグネシウム学会は、検討の結果、

○ 「安全性情報第252号で調査期間とした2005年4月から08年8月の症例数は12例(うち2例死亡)が正しいと考えられる

○ 医薬品医療機器総合機構で「死亡との因果関係が評価できない」と結論付けられた症例を、酸化マグネシウム投与による死亡例としてカウントした

○ 15症例の多くは腎不全を合併(10例)し、意識レベルの低下(10例)が認められるほか、腸管バリア機能低下の症例(死亡の2例)も認められ、酸化マグネシウム投与以外で高マグネシウム血症となり得る基礎疾患や病態が存在する症例 

-- と指摘。

「厚労省が提示した死亡例の死因と酸化マグネシウム投与の明確な因果関係は証明できず、リスク区分を引き上げる案には科学的根拠に乏しく第3類にとどめるべき」とした。

参考資料:

日刊薬業 厚労省 酸化マグネシウムのリスク区分再検討へ 平成21年4月22日 第12741号 P4

発行:   株式会社 じほう

           東京都千代田区一ツ橋2-6-3 一ツ橋ビル

           http://www.jiho.co.jp/ 

【MAG21研究会コメント】

酸化マグネシウム副作用報告の問題に関しては、当ホームページで昨年末以来、以下のサイトにて取り上げてきました。

2008.12.10 「便秘薬で副作用15件2人死亡」のニュース

2009.01.27 「便秘薬で副作用」のニュース -第2弾-

2009.03.26 日本マグネシウム学会が学会見解・要望書を厚生労働大臣に提出

MAG21研究会でも独自に調査した結果を公表してきました。

しかし、日本マグネシウム学会が、この件に関し、2009年3月25日に「酸化マグネシウム副作用報告の取扱い問題に関する学会の見解・要望書」を舛添厚生労働大臣に提出された結果として、今後、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会で、学会の見解や要望内容に関して審議されることになり、関係者としても喜ばしいことです。

この記事に対するご意見やご質問を心からお待ちしております。

 

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