公開日:2009-03-26
日本マグネシウム学会が学会見解・要望書を厚生労働大臣に提出
日本マグネシウム学会が2009年3月25日、酸化マグネシウム副作用報告の取扱い問題に関する学会見解・要望書を舛添厚生労働大臣に提出しました。
2008年11月27日マスコミ各社は、厚生労働省(以下、厚労省)が便秘薬として頻用されている酸化マグネシウムの副作用報告(3年間に15件のうち2例死亡)を根拠に、一般用医薬品のリスク区分分類を「第3類」から「第2類」へ引き上げて規制を強化すると報じました。
酸化マグネシウムは日本薬局方に収載され、昭和25年(1950年)来、幅広く処方(年間延べ約4500万人)されてきた安全性が確立された医薬品ですが、今回の、酸化マグネシウム投与による副作用報告についての厚労省の発表とマスコミ各社の突然の報道は医療現場に大きな混乱と様々な問題を引き起こしております。この厚労省発表とニュース報道内容に対し、多くの医療関係者から被疑薬(酸化マグネシウム)と死亡との因果関係を疑問視する声が挙がっております。
そこで、日本マグネシウム学会は、この副作用報告の内容の確認および酸化マグネシウム投与と死亡との因果関係をマグネシウム研究の専門的な立場から明確にすべく検証を行いました。その結果、厚労省が「重大な副作用」として発表した酸化マグネシウム投与による高マグネシウム血症々例の調査期間中の件数や内容が正確性に欠け、一貫性や整合性が無く、しかも死亡2例とも被疑薬(酸化マグネシウム)投与と死亡との直接的な因果関係が医学的には無い可能性の強いことが判明しました。この為、日本マグネシウム学会としての見解を述べ、関連医学会として日本内科学会、日本透析医学会等からもご賛同を得て、今後の対応についての要望を大臣に提出いたしましたので、ご高覧下さい。
日本マグネシウム学会(理事長 西沢良記)は、マグネシウム研究の進歩発展に寄与することを目的として昭和56年(1981年)11月に設立して間もなく28年を迎えようとしております。
日本マグネシウム学会
学会代表 理事長 西沢良記(大阪市立大学大学院医学研究科教授)
〒606-8305 京都市左京区吉田河原町14
財団法人近畿地方発明センター内
TEL/FAX (075)-751-7599
e-mail: jsmgr@ion.or.jp
本件に関する連絡先: 日本マグネシウム学会酸化マグネシウム副作用検討ワーキンググループ
実務担当責任者 横田邦信(東京慈恵会医科大学)
〒105-8461 東京都港区西新橋3-25-8
TEL: 03-3433-1111(代表)
FAX: 03-3433-5755
e-mail: yokota@jikei.ac.jp
【MAG21研究会コメント】
2008年11月27日付「便秘薬で副作用15件2人死亡」のニュースに関し、MAG21研究会では限られた情報を基に調査した結果を当ホームページ
2008.12.10 「便秘薬で副作用15件2人死亡」のニュース 、
2009.01.27 「便秘薬で副作用」のニュース -第2弾-
でお知らせいたしました。