マグネシウムの降圧作用

公開日:2008-07-29

マグネシウムの降圧作用

2002年、東京大学大学院医学系研究科内科学 藤田敏郎教授が編集された「食塩と高血圧」が日本医学出版から発行されています。本書第23章「マグネシウムの降圧作用」は、国立循環器病センター高血圧腎臓内科部長 河野雄平先生が執筆されています。

第23章「マグネシウムの降圧作用」に関する内容は、以下の通りです。

マグネシウム(Mg)は天然のカルシウム(Ca)拮抗薬と考えられ、降圧作用を有している。Mg不足が血圧を上げ、摂取増加が降圧に働くことが、実験的および臨床的に示されてきた。Mgの欠乏や代謝異常はまた、高血圧や虚血性心疾患、心不全、不整脈、妊娠中毒症、インスリン抵抗性や糖尿病などに関与することが示唆されている。本項ではMgと高血圧について、その降圧作用を中心として概説されています。

目次

● はじめに

● Mgの心血管作用

● Mgと実験的高血圧

● Mgと血圧の疫学

● 高血圧患者のMg代謝

● Mg補給の臨床的介入研究

● おわりに

おわりに、“Mg摂取増加は、降圧効果には限界があろうが、高血圧の管理におけるライフスタイル改善の1つとして推奨されよう”と報告されています。

参考文献:

河野 雄平: マグネシウムの降圧作用。藤田敏郎・編集:食塩と高血圧、日本医学出版、東京、pp. 123-126、2002

MAG21研究会コメント:

本書では、食事性Mg摂取不足と高血圧の関係について報告されています。ご興味のある方は是非ご一読されることをお勧めします。

また、血圧が高い方は、慢性的Mg摂取不足も考慮して日々の食生活の改善をしていただきたいものです。Mgを多く含む食品は、全粒穀物ですが、その他には、野菜・海産物・果物等があり、具体的には、以下の当ホームページサイトをご覧ください。

モグモグ マグネシウムの摂りかた

ニコニコ マグネシウムの力 そばのひ孫と孫(は)優しい子かい? 納得!!

Mg補助食品としては、臨床研究に使用したMAG21(天然濃縮Mg液)もひとつの方法です。

(注) 横田先生の臨床研究では、西オーストラリア・デボラ湖産のマグネシウム含有量が極めて豊富、カリウムが比較的多く、更にナトリウムとカルシウムが極めて少ない天然濃縮マグネシウム水の原料、100ml当りマグネシウム10478mg、カリウム1179mg、ナトリウム245mg、カルシウム10mgを使用しました。なお、横田先生の臨床研究論文では、“MAG21”として以下の論文に報告しています。

Yokota K, Kato M, Lister F, et al., Clinical Efficacy of Magnesium Supplementation in Patients with Type 2 Diabetes. J Am Coll Nutr 23:506S-509S, 2004

http://www.jacn.org/cgi/gca?sendit=Get+All+...

当ホームページで繰り返しお知らせ(2008.06.17 マグネシウム不足が更に深刻)していますが、日本人の食事摂取基準  (2005年版)では男性30~49歳のMg推奨量が1人当り1日370 mgです。しかし、国民健康・栄養調査結果によると1日当りのMg平均摂取量は、男性30~49歳で252~262 mg/日でした。この状況は、1日当り推奨量のおよそ70%しか満たされず、約120 mg不足し、年々増えています。

 

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