極低出生体重を伴った若年成人のグルコース調節

公開日:2008-07-01

極低出生体重を伴った若年成人のグルコース調節

2007年、フィンランドのNational Public Health Institute及びUniversity of Helsinkiの研究者らは、極低出生体重を伴った若年成人のグルコース調節についての研究結果を報告しています。

背景: 出生時における低体重と以後の人生でグルコース調節障害の関係は、満期で出生する人の中でよく認められる。極低出生体重(1500g未満)を伴った早産児は、幼年期においてインスリン抵抗性とも関係がある。インスリン抵抗性が成人期まで持続するなら、極低出生体重を伴った早産児は成人期で疾患リスクの増加に関係する可能性がある。極低出生体重を伴った若年成人の耐糖能とインスリン感受性を評価し、血清脂質レベルと血圧を測定した。

結果: 満期で出生した対象者と比較すると、極低出生体重者の血中2時間グルコース濃度が6.7%高く、空腹時インスリン濃度が16.7%高く、血中2時間インスリン濃度が40.0%高く、インスリン抵抗性が18.9%高く、そして収縮期血圧が4.8 mm Hg高いという結果であった。

結論: 極低出生体重を伴った若年成人は満期で出生した人よりインスリン抵抗性と耐糖能および高血圧の指標が高い。

出典:

Hovi P, Andersson S, Eriksson JG, et al. Glucose Regulation in Young Adults with Very Low Birth Weight. New England Journal of Medicine 356:2053-2063, 2007

(http://content.nejm.org/cgi/content/full/356/20/2053?ck=nck)

MAG21研究会のコメント:

日本の低出生体重児数(2500g未満)及び極低出生体重児数(1500g未満)は、 1975年まで年々低下しましたが、1980年を境として増加し続けています(当ホームページ「女性及び小児とメタボリックシンドロームについて 成人病胎児期発症説」を参照)。

マグネシウムの摂取量が激減したのが1970年前後です(当ホームページ「なぜマグネシウム不足?」を参照)。その10年後の1980年以降から低出生体重児および極低出生体重児数が増えてきている点でマグネシウム摂取不足との関連があると推察されます。

10-020 極低出生体重児数

 

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