女性及び小児とメタボリックシンドロームについて マグネシウムとカルシウム・・・

公開日:2007-08-23

女性及び小児とメタボリックシンドロームについて マグネシウムとカルシウム・・・

マグネシウムとカルシウム摂取量の割合が重要ですか?

一般に良く知られているカルシウムは、生命維持に必要です。しかし、生体内でカルシウムがうまく働くためには、マグネシウムが必要です。従って、マグネシウムとカルシウムは相互関係にあるので、日頃から摂る割合が大切です。

◆ マグネシウムが不足すると脳卒中、虚血性心疾患になりやすいと指摘されています(マグネシウム健康読本、横田邦信著、2006年)。この様な関係は、既に半世紀前から報告されています。

1957年、岡山大学の小林純名誉教授の疫学的調査研究では、日本各地の河川の酸度とアルカリ度と脳卒中の死亡率を調査し、酸性の地域では脳卒中の死亡率が高く、アルカリ性(マグネシウムやカルシウムが多い硬水)の地域では死亡率が低いとの論文を発表し、世界的な注目を浴びました。

1960年、米国のシュレーダーは、飲料水の硬度(カルシウム、特にマグネシウムが多い水)と虚血性心疾患の関係を調査し、マグネシウムの多い硬水地域では、心筋梗塞や狭心症による死亡率が低いとの論文を発表しました(Schroeder HA, JAMA. 172:1902-1908, 1960)。

4リンク3 水の硬度

1973年、フィンランドのルオーマらの疫学調査では、飲料水のマグネシウム濃度が高くなるほど、循環器疾患の有病率が低下し、濃度が2倍では有病率が3分の1まで低下するとの論文を発表しました(Luoma H, et al. Scand J Clin Lab Invest. 32(3):217-224, 1973)。

1978年、カルパーネンらは、カルシウム対マグネシウムの食事摂取比率が高いほど、虚血性心疾患の死亡率が高いことを報告しています(Karppanen H, et al. Adv Cardiol. 25:9-24. Review, 1978)。

4リンク4 カルマグ比

日本人の食事摂取基準(2005年版)からすると、カルシウム600mg対マグネシウム300mgでは2:1となります。虚血性心疾患のリスクを低くするための予防策としては、カルシウム対マグネシウムの比率を2:1より小さくなるように、常日頃から心がけるようにしなくてはなりません。厚生労働省の「平成15年国民健康・栄養調査結果」では、カルシウムとマグネシウムの摂取量が不足しているので、カルシウム不足を補う際には、是非マグネシウムも摂る様に心がけたいものです。

◆ 骨を構成する必須・主要ミネラルには、マグネシウムとリン(細胞内ミネラル)及びカルシウムとナトリウム(細胞外ミネラル)があり、特にカルシウムとマグネシウムの比率が重要です。

丈夫で骨折しづらい骨を形成するには、実際の骨のカルシウム対マグネシウムの重量比10~100:1が安定した適量と考えられます(岡崎正之、他。マグネシウム1987;6:9-16)。国立健康・栄養研究所の西牟田守先生らは、“マグネシウムとリンは細胞内ミネラルで骨ミネラルでもあり、血液を介して骨と細胞間を行き来していると考えることが重要”だと述べられています。

ミネラルはそれぞれのミネラルが過不足に応じて尿中に排泄されるだけでなく、ミネラル間の相互関係があるといわれています(解説論文集: 西牟田守 生体における無機質の生理学的および病態生理学的特性)。生理的条件下では尿中のマグネシウムがカルシウムより多く、マグネシウム不足の条件下ではカルシウムが多く排泄されています。

更に、生体には恒常性維持システムがあり、身体(個々の細胞レベル)の要求に応じて腸管からミネラルが吸収されていると言われます。もし、多量のカルシウムのみが吸収されると、不要なカルシウムが細胞内に蓄積し、マグネシウム不足下では細胞外へ出せなく細胞浮腫状態となり、身体に悪影響を及ぼすと考えられています。

◆ カルシウムは一般的に牛乳などの乳製品などに多くマグネシウムは少ないと言われています。細胞内ミネラル、細胞外ミネラルと骨ミネラルの観点からするとカルシウムの偏った摂取は好ましくなく、マグネシウムもサプリメントと他の食品から多く摂らなくてはなりません。

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