公開日:2007-08-24
マグネシウムの力 マグネシウムとメタボリックシンドローム
マグネシウムとメタボリックシンドローム
「糖尿病」「高血圧症」「脂質異常症」などの生活習慣病は、単独でもやっかいな病気ですが、実はこれら動脈硬化性疾患のリスクは重積して患うことが非常に多いのです。
2型糖尿病の主たる要因の一つにインスリン抵抗性(インスリンの効きの悪さ)というものがありますが、この状態が持続すると「糖尿病」だけでなく「高血圧症」「脂質異常症」なども起こりやすくなります。
一方、肥満の原因は、戦後の過食、特に脂肪摂取量の増加、運動不足によりますが、食生活の半欧米化に伴う食物繊維不足とミネラルのアンバランス、特にマグネシウム(Mg)不足がインスリン抵抗性を引き起こすことが最近明らかにされてきました。
これら2つ以上のリスクが重なった病態を、包括的な代謝異常としてとらえたものが「メタボリックシンドローム」で、マルチプルリスクファクター症候群とも表現されています。
以前から(1)肥満(2)耐糖能異常(糖尿病の予備軍)(3)脂質異常症(高中性脂肪血症)(4)高血圧が合併した状態は「死の四重奏」と呼ばれていますが、具体的な定義・治療のガイドラインなどが整備され始めたのです。
WHOによると、アメリカでは実に4人に1人が「メタボリックシンドローム」に該当するといわれています。
日本でも、糖尿病;約740万人(予備軍を含めると約1,620万人)、高血圧;約3,300万人、脂質異常症;約2,500万人というデータから、相当深刻な数字が予想されます。
近年、マグネシウムを十分に摂取する事は糖尿病の予防に極めて有効だというエビデンスが、「Diabetes Care」、「Journal of the American College of Nutrition」等の医学雑誌に掲載されました。また、マグネシウムは「インスリン抵抗性」に対してだけでなく「高血圧症」「脂質異常症」等の予防・治療にも効果的だという指摘がされています。
マグネシウム不足はリポ蛋白リパーゼ(中性脂肪を分解する酵素)の活性を低下させ、高中性脂肪血症の成因の一つと言われています。なお、高血圧とマグネシウムの関係については、別途お話いたしますのでご参照下さい。
また、マグネシウムは血液をサラサラに保ってくれる大切な「必須の主要ミネラル」。意識してマグネシウムを十分に摂取する事は、あなたを「メタボリックシンドローム」の恐怖から守ってくれます。
「そばのひ孫と孫(は)優しい子かい? 納得!!」をお忘れなく。