マグネシウム補充がインスリン感受性と血糖に及ぼす影響に関するランダム化比較試験のメタ解析

公開日:2020-12-02

2016年、メキシコ・Mexican Social Security Institute、イラン・Mashhad University of Medical Sciences、オーストラリア・University of Western Australiaの研究者らは、“マグネシウム補充がインスリン感受性と血糖に及ぼす影響に関するランダム化比較試験のメタ解析”に関する報告をしたので、その論文の概要を以下に紹介します。

目的
目的は、系統的レビューとメタ解析を実施して、糖尿病患者と非糖尿病者のインスリン感受性と血糖コントロールに対する経口マグネシウム補充の効果を評価することです。

方法
PubMed-Medline、SCOPUS、Web of Science、Google Scholarデータベースを検索して(開始から2015年11月25日まで)、インスリン感受性と血糖コントロールに対するマグネシウムの影響を評価する対象者計1362人を含む研究論文21報(1992~2015年)のランダム化比較試験(RCT)を確認しました。

結果
マグネシウム補充が血糖、糖化ヘモグロビン(HbA1c)、インスリン、およびインスリン抵抗性の程度を示すHOMA-IR指数に及ぼす影響を、それぞれ22、14、12、および10の摂取群で評価しました。
マグネシウム補充の有意な効果は、インスリン抵抗性の程度を示すHOMA-IR指数(p = 0.013)で観察されましたが、血糖(p = 0.119)、HbA1c(p = 0.756)、およびインスリン(p = 0.556)では観察されませんでした。
マグネシウム補充期間4か月未満と4か月以上を比較したサブグループ解析では、後者サブグループの空腹時血糖値(p <0.001)とインスリン抵抗性の程度を示すHOMA-IR(p = 0.001)に有意差が認められました。

結論
4か月以上のマグネシウム補充は、糖尿病患者と非糖尿病者の両方で、インスリン抵抗性の程度を示すHOMA-IR指数と空腹時血糖値を有意に改善します。
この調査結果は、マグネシウムが糖代謝障害において有益なサプリメントであるかもしれないことを示唆しています。

参考資料:
Simental-Mendía LE, Sahebkar A, Rodríguez-Morán M, Guerrero-Romero F. A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials on the effects of magnesium supplementation on insulin sensitivity and glucose control. Pharmacological Research 111:272-282, 2016. doi: 10.1016/j.phrs.2016.06.019.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27329332/

【コメント】
このメキシコの研究者らは、臨床ランダム化比較試験のメタ解析で4か月以上のマグネシウム補充は、糖尿病患者と非糖尿病者の両方で、インスリン抵抗性の程度を示すHOMA-IR指数と空腹時血糖値を有意に改善することを示し、マグネシウムが糖代謝障害において有益なサプリメントであることを示唆していると述べています。

このメキシコの研究者らDr. Guerrero-Romero、Dr. Rodríguez-Moránは2012年メキシコのメリダで開催された第13回国際マグネシウムシンポジウム(SDRM)の会長ご夫妻で、マグネシウムと糖尿病、高血圧、メタボリックシンドローム、うつ病などに関し、精力的に研究を進め多くの研究論文を発表されています。2006年日本で開催された第11回国際マグネシウムシンポジウム(SDRM)に参加されました。MAG21研究会のホームページでは、一部の研究論文を紹介して来ております。

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