2型糖尿病の発症要因に関する最近の話題

公開日:2017-06-12

MAG21研究会のメンバーで東京慈恵会医科大学 客員教授 横田邦信先生の2型糖尿病の発症要因に関する最近の話題に関する論文が、東京都医師会雑誌に掲載されたのでお知らせ致します。


この論文は、平成28年11月5日(土)に東京都医師会、東京都福祉保健局の共催による平成28年度保険医療講習会(生涯教育)にて横田先生が講演された内容を纏めたものです。


論文の内容を以下に列記します。


はじめに


2型糖尿病の発症要因として食生活の欧米化に伴う過食、運動不足、肥満、ストレスなどが従来から知られ、定説となっているが、近年、新たな発症要因として喫煙や睡眠障害なども報告され、さらに“新型栄養失調"ともいえる病態が新たな発症要因として着目されつつある。


糖尿病の定義と病態


インスリン抵抗性惹起に関与する環境要因


戦後の2型糖尿病有病率と食生活環境の推移


Mgとは


1. Mgの主な働き


2. Mg不足と疾病との関係


3. インスリン分泌におけるMgの関わり


4. インスリン作用におけるMgの関わり


Mg食事摂取基準とMg摂取の現状


Mg摂取不足の原因


マグネシウム仮説の検証


1. Mg補充による介入研究


2. 臨床栄養疫学的研究


おわりに


わが国における戦後の2型糖尿病有病率の激増の大きな要因の一つに、現代人は無意識の内に穀物由来の食物繊維と共に慢性的なマグネシウムの摂取不足状態にあることが明らかにされた。これは“新型栄養失調"ともいえる栄養状態であり、若い時から十分な食事性マグネシウム摂取を心掛けることが、2型糖尿病の予防・改善対策に極めて重要である。


この点を十分に再認識し、伝統的な和の食材の素晴らしい食文化を伝承する正しぃ“食育"がなされることが強く望まれる。


文献


公益社団法人 東京都医師会


http://www.tokyo.med.or.jp/


【コメント】


マグネシウムはカルシウムの蔭に隠れて来た長い歴史があります。わが国の国民一人当たりのカルシウム摂取量は、厚生省(当時)が国民栄養の現状として戦後1946年来毎年調査報告し、厚生労働省が国民健康・栄養調査として2003年来毎年調査報告しています。一方マグネシウム摂取量は、カルシウムの調査報告より55年後の2001年から厚生省が調査報告を開始しました。カルシウムと比較し、マグネシウムはそれほど研究されていない“オーファン栄養素(Orphan nutrient)”です。この為、マグネシウムに関する国の認知が相当遅れたため国民の認知が更に遅れています。


2016.12.13 平成27年国民のマグネシウム摂取量


2017.01.17 日本人のカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)摂取量とCa/Mg摂取比率(1946~2015年) 更新


2017.01.23 わが国における糖尿病推定有病率と生活環境の推移(1946年~2015年)


マグネシウムは健康にとってとても重要な必須・主要ミネラルです。にも拘わらず、長年にわたりほとんどの医師がこの不可欠なミネラルの血中マグネシウムを測定することもしませんし、様々な臨床症状も見過ごして来たのが現実です。


マグネシウム不足は虚血性心疾患、高血圧・糖尿病・メタボリックシンドロ-ムなどの生活習慣病、喘息、不安とパニック発作、うつ病、(慢性)疲労、片頭痛、骨粗鬆症、不眠症、こむら返り、PMS(月経前症候群)、胆石症、尿路結石、大腸がん、すい臓がん、動脈硬化、全身性炎症性疾患そして悪阻など様々な疾病・病態とも密接に関連しています。


マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。

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