公開日:2013-04-04
アメリカ人のヨーグルト消費は食事の質と代謝プロフィールに関係
2013年1月、米国・タフツ大学ジーン・メイヤー米国農務省(USDA)高齢化に関する人間栄養研究センター(HNRCA)、国立心肺血液研究所フラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study)、マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital: MGH)の研究者らは、アメリカ人男女のヨーグルトの消費は食事の質、代謝プロフィールに関係するという結果を報告したので、その論文概要を以下に紹介します。
背景・目的:
エビデンスに基づいたアメリカ人の食事指針は、無脂肪か低脂肪ミルクと乳製品の摂取量を増やすことが推奨されていますが、栄養に富んだ乳製品ヨーグルトは研究段階です。
方法:
この横断的研究は、第2世代コホート(Framingham Heart Study Offspring、1998-2001)および第3世代コホート(2002-2005)に参加している19~89歳の成人(n = 6526人)で、ヨーグルトの消費がより良い食事の質と代謝プロフィールに関係しているかを検討しました。
食事摂取量評価には有効な食物頻度アンケートを用い、総合的な食事の質を評価するためにDietary Guidelines Adherence Index (DGAI)を用いました。臨床検査は標準的なものを行いました。
食事の質および代謝因子のレベルとヨーグルト消費の関係を一般化推定方程式で検討しました。
結果:
女性の約64%(対男性の41%)はヨーグルト消費者でした。ヨーグルト消費者は非消費者より高いDGAIスコア(例、より質の高い食事)でした。
人口、生活習慣因子およびDGAI調整後、ヨーグルト消費者は非消費者と比較して、カリウム摂取が高く(1日の差0.12g)、そして、それぞれビタミンB2とB12、カルシウム、マグネシウムと亜鉛の摂り方が悪い可能性(食事摂取基準に基づく)がより低く47%、55%、48%、38%、34%でした(全てP ≤ .001)。
ヨーグルトの消費は、血中トリグリセリドと血糖の低値、収縮期血圧とインスリン抵抗性の低下と関係していました(全てP < .05)。
* 各表をクリックすると拡大表示します。
結論:
ヨーグルトはいくつかの微量栄養素の栄養源であり、食事の質が向上し、健康で、エネルギーバランスのとれた食習慣の一部として役立つ可能性があります。
参考文献:
Wang H, Livingston KA, Fox CS, Meigs JB, Jacques PF. Yogurt consumption is associated with better diet quality and metabolic profile in American men and women. Nutrition Research 33:18-26, 2013; doi: 10.1016/j.nutres.2012.11.009. Epub 2012 Dec 27.
http://www.nrjournal.com/article/S0271-5317(12)00248...
【コメント】
この横断的研究は、ヨーグルトの消費がより良い食事の質と代謝プロフィールにどのように関係しているかどうかを検討し、ヨーグルト消費者は非消費者より食事の質が向上し、栄養摂取が高く、代謝プロフィール(血中トリグリセリドと血糖の低値、収縮期血圧、インスリン抵抗性の低下など)に関係していることを示唆しました。
なお、ちなみに、我が国におけるヨーグルトの成分表を示します。脱脂加糖(普通ヨーグルト)の消費が多いと思われますが、栄養成分の観点から食事の質は高いと言えます。
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