中国の男性と女性の糖尿病有病率

公開日:2011-12-02

中国の男性と女性の糖尿病有病率



2010年、中国国立糖尿病・代謝異常研究グループの研究者らは、中国の男性と女性の糖尿病有病率に関する報告をしたので、その論文概要を以下に紹介します。



背景:



中国の生活習慣の急速な変化のため、糖尿病が流行るかもしれないという懸念があります。中国の成人で糖尿病の有病率を推計するために、2007年6月から2008年5月まで全国調査を行ないました。



方法:



全国的に代表サンプルとして20歳以上46,239(男性18,419、女性27,820)人が14省・地方自治体から研究に参加しました。



夜間断食後、参加者は経口ブドウ糖負荷試験を受け、未診断の糖尿病と予備群(Prediabetes)(例、空腹時血糖異常または耐糖能異常)を確認するために空腹時と負荷後2時間の血糖値を測定しました。



以前診断された糖尿病は、自己申告に基づいて決定しました。



結果:



年齢標準化した全体の糖尿病(以前診断された糖尿病および以前未診断の糖尿病の両方を含む)と予備群の有病率は、それぞれ9.7%(男性10.6%、女性8.8%)および15.5%(男性16.1%、女性14.9%)でした。糖尿病有病者、予備群はそれぞれ9240万人の成人(男性5020万人、女性4220万人)および1億4820万人の成人(男性7610万人、女性7210万人)でした。



糖尿病有病率は年齢(20~39, 40~59, 60歳以上それぞれで 3.2%, 11.5%, 20.4%)、体格指数(BMI)(18.5未満, 18.5~24.9, 25.0~29.9, 30.0以上それぞれで4.5%, 7.6%, 12.8%, 18.5%)と共に増加が見られました。糖尿病有病率は都市の居住者が地方より高くありました(11.4%対8.2%)。糖尿病有病率は、耐糖能異常が空腹時異常より高くありました(男性11.0%対3.2%、女性10.9%対2.2%)。



結論:



中国で糖尿病が大きな公衆衛生問題になっており、糖尿病の予防と治療を目的とした戦略が必要であることが示されました。



参考資料:



Yang W, Lu J, Weng J, et al. Prevalence of diabetes among men and women in China. New England Journal of Medicine 362:1090-1101, 2010



http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0908292#t=...



コメント



将来糖尿病有病率が激増する可能性がある中国での現状が示された点で意義があると言えます。



次回は、この報告に関連し、国際糖尿病連合(IDF)の発表について掲載します。



マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。




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