公開日:2010-07-13
薬剤としてのマグネシウム
2010年、東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部 主査 北村正樹先生、MAG21研究会メンバーで同大学 教授 横田邦信先生の「薬剤としてのマグネシウム」についての論文が、季刊 腎と骨代謝 7月1日発行 [特集] マグネシウムとCKD(慢性腎臓病)に出版されたのでお知らせ致します。
論文のアウトラインをご紹介します。
要旨
はじめに
I. マグネシウムの歴史と疾患との関係
1. 歴史
2. Mg不足と疾病
II. マグネシウムとは
1. Mgの存在部位
2. 生体内でのMgの役割
1) 酵素の活性化とその維持
2) Mg依存性ATP制御
3) その他の主な生理作用
III. 治療薬としてのマグネシウム化合物の種類と解説
1. 酸化マグネシウム
1) 効能・効果、用法・用量
a. 上部消化管疾患
b. 便秘症
c. 尿路蓚酸Ca結石の発生予防
2) 安全性(使用上の注意)に関する項目
3) 相互作用
4) 副作用
5) 主な商品名
2. 硫酸マグネシウム水和物
〔内服製剤として〕
1) 効能・効果、用法・用量
2) 安全性(使用上の注意)に関する項目
3) 相互作用
4) 副作用
5) 主な商品名
〔注射製剤として〕
1) 効能・効果、用法・用量
a. 子癇
b. 切迫早産における子宮収縮の抑制
c. 電解質補液の電解質補正
d. 心室性頻拍症 (現在保険適応外)
2) 安全性(使用上の注意)に関する項目
3) 重要な基本的注意
4) 相互作用
5) 主な商品名(製品により適応が異なることに注意)
IV. マグネシウム製剤における最近のトピックス
おわりに
文献
参考URL
2) http://www.who.int/water_sanitation_health/gdwqrevis...
3) http://whqlibdoc.who.int/publications/2009/9789241...
4) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0508-4d.pdf
参考資料:
北村正樹、横田邦信: 薬剤としてのマグネシウム.腎と骨代謝 23:183-190, 2009
「腎と骨代謝」の発行所:
株式会社 日本メディカルセンター http://www.nmckk.jp/
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目64番地 神保町協和ビル
営業 Tel: 03-3291-3901(代)
この論文は、「腎と骨代謝」という専門誌の特集に掲載されたものです。この特集では、慢性腎臓病におけるマグネシウム代謝異常に焦点をあて、マグネシウム代謝調節、栄養素としてのマグネシウム、薬剤としてのマグネシウムについてなどが書かれています。
特に、「薬剤としてのマグネシウム IV. マグネシウム製剤における最近のトピックス」では、2008(平成20)年に厚生労働省が酸化マグネシウム服用と死亡との因果関係が否定できない高マグネシウム血症の2死亡例を問題視して添付文書の改訂を指示し、さらに一般用医薬品のリスク区分分類の第3類から2類への格上げを強行しようとした一連の顛末についても解説されています。
この記事に対するご意見やご質問を心からお待ちしております。