ドイツのマグネシウム推奨量

公開日:2008-11-29

ドイツのマグネシウム推奨量

2002年、ドイツFriedrich-Schiller-University Jenaの共同研究者らは、食事性マグネシウムの糧食、必要条件と推奨量についての研究結果を報告しています。

大人の平均マグネシウム摂取推奨量は、300~400mg/日の範囲にある。近年、米国およびドイツ/オーストリア/スイスにおける食事摂取基準は、青年で400mg/日までわずかに増やされた。

これら推奨量などの根拠は、バランス研究による。近年、大人のドイツ人とメキシコ人、菜食主義者および授乳婦を対象にマグネシウム摂取量が実施された。さらに、通常食に100mgのマグネシウムをマルチミネラル/マルチビタミン調合剤から補充する効果を若い女性と泌乳期女性において二重盲検下プラセボ対照試験が実施された。1日のマグネシウム摂取量は自己選択のドイツ食で1988/1992/1996に測定したところ、女性がおよそ200mgと男性が250mgであった。これらのデータと比較して、メキシコ食では、1日当たりのマグネシウム摂取量は平均で女性が301mg、男性が318mgであった。女性と男性菜食主義者のマグネシウム摂取量/日は、それぞれ376、474mgであった。より多い摂取量は尿中マグネシウム排泄量の増加に反映され、添加されたマグネシウムのおよそ20~40%が吸収されたことが示された。血清マグネシウム濃度は、若年の泌乳期と非泌乳期の女性で変わらなかった。

いろいろな試験人口におけるマグネシウムのバランス研究に加えて、老化期ではマグネシウム(最高50%)のかなりの量がマグネシウムの主な貯蔵庫の骨から失われることが示された。

10-028 ドイツMg推奨量

参考文献:

Vormann J and Anke M. Dietary Magnesium: Supply, Requirements and Recommendations – Results From Duplicate and Balance Studies in Man. J Clin Basic Cardiol 5:49–53, 2002

(http://www.kup.at/kup/pdf/1046.pdf

【MAG21研究会コメント】

2000年の時点で、米国、ドイツ、オーストリア、スイスでは青年のMg推奨量を既に、少しとはいえ、400mg/日まで増やしています。一方、日本では、2004年になって漸くそれまでの320mgから370mgへ再策定しています(日本人の食事摂取基準(2005年版))。この諸外国との差、すなわち、策定の遅れは日本人のMg不足による2型糖尿病・メタボリックシンドロ-ムなどの生活習慣病の激増に拍車を掛けたと言えます。一日も早く、諸外国の実情と深刻なMg摂取不足の認識を国が持ち、国民への啓蒙を行うことが極めて重要と言えます。 

マグネシウムに関する様々なご質問を心からお待ちしております。

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