公開日:2008-07-15
マグネシウム摂取が胆石症の予防に有効な可能性
2008年、米ケンタッキー大学医学部、米ハーバード大学医学部などの共同研究者らは、マグネシウム摂取が胆石症の予防に有効な可能性があるとの研究結果を報告しています。
背景:
マグネシウム(Mg)不足は、脂質異常症およびインスリン過剰分泌を引き起こし、胆石形成を促す可能性がある。しかし、Mgの長期消費が胆石症のリスクに及ぼす作用は不明である。
方法:
対象者は米国人男性42,705人、1986~2002年で平均約13年間追跡し、Mg摂取と胆石症リスクとの関係をプロスペクティブに調査した。Mgの摂取量は、判定量的な食品摂取頻度調査票を用いて評価した。新規に診断された胆石症を2年ごとに確認した。
結果:
総計560,810人年の追跡で、2,195例に症候性胆石症の発症を確認した。年齢補正後のMg摂取量を最高五分位と最低五分位で比較した相対リスク(RR)は、総Mg摂取および食事からのMg摂取のいずれにおいても0.67(P<0.0001)と有意に低かった。複数の交絡因子補正後でも最高五分位と最低五分位で比較したRRは、総Mg摂取で0.72(P<0.006)、食事からのMg摂取で0.68(P<0.0006)と有意に低かった。Mg摂取と胆石症リスクとの間には、用量反応性の関係が認められた。
結論:
男性の症候性胆石症の予防におけるMgの保護的役割が示唆された。
参考文献:
Tsai C-J, Leitzmann MF, Willett WC, et al., Long-Term Effect of Magnesium Consumption on the Risk of Symptomatic Gallstone Disease Among Men. Am J Gastroenterol 103:375-382, 2008
MAG21研究会コメント:
胆石症とMgの摂取量との関係が明らかになったことはとても興味深いものがあります。
予防の意味でも毎日の十分なMg摂取を心掛けるようにしたいものです。
⇒Mgの多い食品に関し、以下の当ホームページサイトをご覧ください。
マグネシウムの力 そばのひ孫と孫(は)優しい子かい? 納得!!