公開日:2008-02-12
経口マグネシウムサプリメントの血圧、血清脂質への効果
1997年、中村学園大学と九州大学健康科学センターの研究者らは、経口マグネシウムサプリメントの血圧、血清脂質、および関連要素への効果についての研究結果を報告しています。
背景: 二重盲検プラセボ対照試験では、対象者33人に4週間の経口マグネシウム(Mg)サプリメント(錠剤Mg(OH)2; 411~548 mg/日)またはプラセボ(偽薬)を割り当てた。
結果: 尿中Mg排泄量は、Mgサプリメント最初の2週間と次の2週間でも有意に増加し、尿中ナトリウム排泄も有意に増加した。Mg群では収縮期および拡張期の血圧値が有意に減少した。尿中アルドステロン排泄量及び充填赤血球量が最後の2週間では有意に増加した。サプリメント期間終了時の尿中ノルアドレナリン排泄量と拡張期血圧値の間では統計的に有意な正の相関があった。Mg補充後にレシチン・コレステロール・アシル転移酵素(LCAT)、HDLコレステロールおよびアポリポプロテインA1が統計的有意に増加したのも観察された。試験期間中にLCATと尿中Mg排泄量の間では有意な正の相関が認められた。総コレステロール対HDLコレステロールの比率は、最後2週間のMg補充において有意に低下した。
結論: Mgサプリメントは、アドレナリン活性の抑制およびナトリウム排泄増加によって血圧を下げる可能性を示唆する。
(Itoh K, Kawasaki T, Nakamura M. The effects of high oral magnesium supplementation on blood pressure, serum lipids and related variables in apparently healthy Japanese subjects. British Journal of Nutrition 78:737-750, 1997)
MAG21研究会コメント: Mgの効果(介入試験)を報告した日本の論文で、Mgの降圧効果、抗脂質効果、交感神経抑制(MgがN型CCBであること)が明解に示されたものと言えます。