公開日:2007-10-19
マグネシウムの食後高脂血症に及ぼす影響
メタボリックシンドロームの判定基準には、必須項目であるウエストの測定と3つの選択項目血糖、血圧と血中脂質があります。血中脂質に関し、食後高脂血症を防ぐ因子の検討は、動脈硬化症の予防に重要であることから、マグネシウム摂取による食後高脂血症の影響を検討した報告があります。
お茶の水女子大学生活環境研究センターの岸本らは、マグネシウム「MAG21」の摂取と脂肪吸収との関連について、健常な成人男性8名(平均年齢35.9±10.0歳、BMI(体格指数)24.5±4.1kg/m2)を対象として、脂肪負荷試験の結果を報告しています(論文1、2を参考にして下さい)。
脂肪負荷食は、市販バター30gとロールパン30gを用い、脂肪負荷食のみを摂取する試験と、脂肪負荷食とマグネシウム量として500mgの素材(MAG21)を同時に摂取する試験が行なわれました。
結果は、マグネシウムにより脂肪負荷後の血液中の各種脂肪濃度の上昇が抑制されました。血清トリグリセリド(TG)濃度の上昇が抑制され、血清カイロミクロン-TG濃度の上昇は有意な減少が認められ、そしてVLDL-TG濃度の上昇も抑制されました。
結論としては、マグネシム「MAG21」により、食後高脂血症を抑制する可能性があると報告しています。
(論文)
1 岸本良美、柳沢千恵、長谷川麻衣子、町田尚子、吉岡絵理、谷真理子、貴堂としみ、宇都春美、横田邦信、近藤和雄:食後高脂血症に及ぼす“にがり”の影響.日本未病システム学会雑誌 12:78-79,2006
2 岸本良美、田口(柳澤)千恵、長谷川麻衣子、町田尚子、吉岡絵理、谷真理子、貴堂としみ、近藤(宇都)春美、横田邦信、近藤和雄:にがりの食後高脂血症に及ぼす影響.機能性食品と薬理栄養 4:175-178,2007
(注意: この研究で使用されたマグネシウムは、天然高マグネシウム濃縮液(MAG21)で、100g中マグネシウム含有量が10,478mgと極めて高く、ナトリウム245mgとカルシウム10mgなどは極めて低い素材です。)